2010年6月16日水曜日

「あらゆるものを貫き通す矛と、何物をも通さない盾」という菅首相の言葉

日々の発信予定が、週刊に近づきつつある。やんごとなき事情があるとは言えヤバイ。

本日は、菅首相が掲げる方針について、検証してみたい。
と言っても、今現在出されている3つの基本方針については、既に、あちこちで、同時には成り立たないことが分析されているので、ここでは、最も象徴的で分かり易い「増税」と「財政再建」との関係について述べ、この左翼首相のスタンスと不勉強さと誠実さの無さを詳らかにしたい。

ちなみに、この2つの関係も、菅首相は、双方同時に成り立つと、豪語している。
では検証。

固定資産税ならまだしも(それも、買い控えが起こると同じであるが)、消費に掛ける税金などは、人の心理をモロに受ける。
消費税の増税を行う時、安易に、+数%分の税収を見込んで、鉛筆ナメナメして〝皮算用〟しているのであろうが、消費税が課される場面では、消費者心理により影響され、皮算用は皮算用のままに終わる。

即ち、消費税増税となると、次のようなことが起こる。
1.消費者の財布の紐が締まる。切り詰めがおこる→必要最低限以外のものやサービスには手を出さない
2.消費不況により、購入があったお店でも、絶対数の減少により税収が上がらない(その1)
3.英会話教室のように、ジャンルとして〝購入〟されなくなったお店は、放っておくと、つぶれてしまい、増収どころか、なけなしの税収から、失業者対策としてお金を逆に使わなくてはいけない事態まで発生する(その2)

論より証拠で、次のグラフを見てみよう。


このグラフは、昨年の衆院選で、幸福実現党がチラシにして、またHPやその他で数多の国民の目に留まるように掲げたものではあるが、政党政治の世界に身を置く議員なら、こうしたデータを入手し、グラフ化することなど、朝飯前のはずだ。

そう、消費税の導入時、増税時に起きた現象は、むしろ税収の落ち込みであって、やるだけ逆効果である。
そして、このグラフには出ていないが、消費不況の煽りを食って失業した人の手当を考えると、更にマイナスなのである。

つまり、税収を上げようと思ったら、目先の国民から絞ろうとしたりせず(そんな浅知恵を働かせるのではなく)、税収を上げるようなインフラの整備や、規制が多くて適正な競争・発展が阻害されている分野で、その〝鉄条網〟を撤廃することだ。

そうして、産業が起きるベースを作り、また、民間の知恵と努力が生かされる方向で、GDPを上げ、そこから、適正な安い税率で、「絶対額たる税収」を確保すれば済むことだ。

歴史を学べば、そんなことは至極明瞭である。

以前、ビスマルクの例を出して、「賢者は歴史に学ぶ」と書いたが、一国をリードする者なら、歴史に倣う謙虚な姿勢を持つべきだ。
ソ連は既に崩壊した。
中国・北朝鮮は、一党独裁の人権抑圧国家。
できれば、この文明実験の失敗も、見習わないようにして欲しいものだ。
早期に衆議院の解散をしないのであれば。

そういえば、菅首相は、昨日の各党の代表質問で、普天間基地問題についての質問に対し、村山 社会党委員長が首相になったときも、「高度な判断」により方向を転換した、というような趣旨の発言をし、現時点での普天間基地問題を擁護している。

棒読みに近い首相答弁であるので、官僚作成の作文の朗読がバレバレであるものの、菅首相は図らずも、同じ穴のムジナである社会党(正確には㊧系)が、「低度(で非現実)」な判断で、国政を壟断してきたことを、述べたことになる。

聞いていて、片腹痛かったが、自民党議員も、首相を筆頭とする㊧系の夢想・誤謬を徹底的に糾してほしいものだ。

そう、国を実際に任されるということは、大変な重みを持つのだ。
それを、今回の新政権の初の省庁会見で、蓮舫ほか4名、計5名の大臣が国旗に一礼しなかったのは、文字通り、国に対する「非礼」な態度を示すものである。

忘れていたと、欠礼、もとい非礼な大臣は言うかもしれない。
しかし、普段から認めていないからこそ、礼を欠いたことは、最低限の事実だろう。
真相は、絶対に確信犯だと思うのだが・・・

この5名の中には、日本人拉致実行犯シン・グァンスの釈放嘆願書に、菅直人と一緒に署名した千葉法相が含まれている。
どこまでも見下げ果てた面々である。

今、世界が熱狂しているサッカーワールドカップにおいて、日本の選手達は、初戦で、国家斉唱の際、自分達も肩を組むから、ベンチにいる人たちにもお願いします、とお願いしたとのことだ。
国旗を侮蔑する輩が大臣になれるという何とも言えない価値倒錯の中にあって、サッカー日本代表の選手たちが国民としていかに誇らしい行動を取ったか、すがすがしい限りである。


なお、ここからは余談であるが、幸福実現党は、保守の本流そのものを自負している。

ところが、「大統領制」と「移民受け入れ政策」の2つを見て、保守でないと否定する皮相な意見があるようだ。

幸福実現党を公式に代弁できる権限は私にはないが、一個人としてこの意見に対して言わせて貰うとするならば、「国際関係論」と「国の発展を築く基礎」の2点からコメントすることができる。

㊧系の人が、「憲法9条を守る」というだけで、軍事力なしに国が守れないというのは、保守の人ならば当然のこととして知っていよう。

これと同様に、「日本国は、天皇がしろしめす一国一民族、純血種であり、天皇の地位を蔑ろにするものや、他国民を受け入れようとしているのは、あいならん」というのは、憲法9条を声高に叫ぶ連中と、実は五十歩百歩である。

本当に日本のことを思うのであれば、まず、国際関係において、現在の日本の制度は、他国との交渉で損をしているという事実をご存知であろうか。
つまり、他国から日本を見ると、象徴たる天皇の国事行為があるため、「元首」が、天皇なのか首相なのかが不明確で、誰が意思決定をするのかわからないという不満があり、このことが、国際関係において、非常にマイナスを招いているのである。

であるから、これは、むしろ天皇を煩雑な業務からお守りするためにも、元首を決めて、そこに責任と権限を与えることが、他国との関係をよりよく持っていくために必要な施策である。これが一つ。

次に、移民受け入れであるが、「移民受け入れはあいならん」と言っても、では、日本の就労人口の推移が、これからどうなるかくらい、人口構成比を見ればすぐに分かる話であり、いかに優秀な国といえど、〝働き手〟がいなければ、国が衰退するのは、火を見るより明らかである。

国が衰亡、萎んでしまうと、他国に劣後するようなことになるのである。

故に、日本を思えばこその必要な施策なのである。

日本を守るために、天皇を頂いて、日本人のみの純血を守るということも、心情的には理解できる。

しかし、現実には、それは適わないこととなっているのが現状・現実であるならば、国の発展繁栄のために、座して死を待つことなく、勇気を持ってこれを打ち破らなければならない。

これを言うことは、実は、現状に目を背け、目を瞑り、良いことしか言わない輩には出来ない勇気が要ることであるのだ。

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