2010年6月22日火曜日

太平の眠りを覚ます上喜撰

「太平の眠りを覚ます上喜撰 たった4杯で夜も眠れず」とは、言うまでもなく、幕末、浦賀沖に現れたペリーの黒船を見て、庶民が詠んだ有名な句である。
「上喜撰」は、宇治の高級茶で、「蒸気船」とかけてある。うまい句だ。

倒幕から明治維新の流れは、ここから起きたと言って良いほど、黒船の出現は、日本国中に影響を与え、太平の眠りの中にあった日本人の目を覚まさせる、歴史的な断絶を生む事件であった。

当時の日本人(正確には、○○藩の□□)が、この歴史的事件に対し、戦々恐々としていたことは、こうした庶民でも感じ得たものだからこそ、尚更分かろうと言うものだ。

ただ、このようにはっきりと、〝敵〟がVISIBLE MODEになっているのは、ある意味、羨ましい。
何せ、標的がはっきりとしているのだから。

翻って、現代日本を見てみると、左翼という黒船が、INVISIBLE MODEで、密かに上陸し、目に見えない(正しくは、その正体を見破った見識ある人の言を、瓦版が黙殺した。)ことを良いことに、何と幕府を追い出して、自らがあたかも庶民の味方のように、入れ札制度を悪用して、新たな幕府を開いてしまった、と言えよう。

黒船のようにハッキリとしていれば、人々も見た目で分かるのだが、まさか、将軍様が庶民の暮らしを良くしようとして、実のところ、この日の本の国を転覆させようと、心の奥底で考えているなんて思っていない人が半数以上居る、というのが現実である。

それが、菅内閣の支持率が、未だ過半数ある、という事実である。
VISIBLE MODEだったら、太平洋だけでなく、日本を囲む四方の海に、黒船(赤船か?)を浮かべられている状態なのに、瓦版が暗黒将軍の危険性を伝えず、むしろ加担するものだから、それを知らない庶民に聞くと、こうした高い支持率に繋がるのである。

この菅将軍様、庶民の味方を気取っては、ねずみ小僧次郎吉ばりに、悪徳の大店(おおだな)から手に入れた大判小判を、貧しい人に分け与えようと考えており、ねずみ小僧と一点だけ違うのは強盗という実力行使か、〝法度〟を設けた上での〝実力行使〟か、というだけの違いである。
要は、どちらも〝強盗〟である。
ちなみに、この強盗行為のことを、菅将軍が列する民主党幕府では、〝社会保障〟という呼び名で呼んでいる。

なお、〝強盗〟という表現が過激であるならば、憲法違反と言ってもよい。
よく、護憲派という表現が、左系の人に対して使われることがあるが、とんでもない。
彼らは、憲法9条(と前文のみ)を護る人達であり、それに20条足した、憲法29条の「財産権の保証」は、一切護ろうとしない。
ねずみ小僧まがいの社会保障なんて、れっきとした憲法29条違反ではないか!
それを護らずして、何が護憲だ。自分達に都合の良い部分だけのつまみ食いではないか。
まあ、ねずみならつまみ食いも致し方ないのかも知れないけれど・・・


それにしても、本来であれば、〝強盗〟などせず、楽市・楽座をまずやるべきなのだ。
そして、貿易を活発にして儲かった豪商から、税として納めさせれば良いのだ。

経済とは、よく知られているように経世済民の省略形で、元の意味は、「世を經(おさ)め、民を濟(すく)う」ことにある。
つまり、世をおさめる知識や経験がないと、民をすくうことは出来ないのである。

菅将軍様は、瓦版でも、経済オンチと言われているとおり、大判小判をバラ播くことしか関心がない。
それを、古参の老中たる財務官僚に騙されて、増税をはじめとする支離滅裂な経済政策を行おうとしているのだ。
このあたりの説明は、以下の本の中で、菅将軍様が尊敬する長州の偉人の一人、高杉晋作殿からも指摘されている。

先日、あるTV番組で、一般視聴者からの投稿ビデオが幾つか紹介されていた。
その中に、幼稚園児くらいの女の子が、サッカーのキーパーをやっていて、自分の手から大きくキックしようとして、蹴られたボールは、後ろのマイゴールに向かい、慌てて追いかけるも、間に合わず、オウンゴール!というシーンがあった。
 
これを見て、菅将軍様の〝善意〟たるバラマキが、このオウンゴールと重なってしまった。
大きく前に蹴ろうとしながら、拙いばかりに、自殺点となる。
まさに、経済オンチゆえに、財務官僚の操り人形となり、机上の破滅への道を進む菅将軍様。
 
見識がなければ、将軍を選ぶ入れ札の場に出てはならなかったのだ。
鳩山前首相といい、器でない人間が長に立つ怖さを知った時、初めて、支持率が下降することとなるだろうが、危機が顕在化する前であることを祈念するばかりである。

0 件のコメント:

コメントを投稿